序文

アメリカの教師と学生に役立ててもらうことを狙いとした以下のインタビューは、『ミュージカルアメリカ』(*)の編集長による提案で行われたものである。一、二の例外を除きすべて一度同誌に掲載されている。

これを書籍の形で出版してほしいという要望がアメリカ中から来ていた。筆者は出版にあたり、対話の内容を膨らませて欲しいと各ピアニストにお願いしようと考えていたが、これが実現できたのはいくつかのケースに限られる。それ以外のインタビューについては、ほぼ雑誌掲載当時のままである。

筆者にとってヨーロッパでの一九一三年の夏は、まぎれもない音楽巡礼の時となった。この旅で一番大きかった出来事は、有名ピアニストたちの自宅でのインタビューである。どのアーティストもたっぷり時間をとって、ピアノの演奏法や教育法を惜しみなく語ってくれた。

ピアニストたちとのインタビューは筆者にとって大きな喜びであリ続けている。この喜びを、我が国のピアノ関係者と分かち合えることを切に願うものである。

なおインタビューは、行われた順に並べられている。

(*)『ミュージカルアメリカ(Musical America)』は、運営母体の変遷を経ながらも一八九八年から続くクラシック音楽誌。紙媒体での発行は一九九二年に終わり、以降ウェブ雑誌として存続している。